「万博じまい」

 

万博終了まで、あと４日。

やっさもっさとしているうちに、

終わってしまう。

祭りは終わるからこそ楽しいのだ。

――それでも、やっぱり寂しい。

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毎日通った訳ではない。たった7回。

目玉パビリオンに入れたわけでもない。

それでも、スタンプラリーを楽しみ、

150を超えるスタンプを集めた。

大屋根リングも、何回かに分けてだが、一周した。

パビリオンも、どこがどうだったかぐちゃぐちゃで覚えていない。

それでも、「万博へ行くぞ」と心に決めてからは、

車のナンバープレートもみゃくみゃくにし、

雨の日も灼熱の日も出かけた。

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1970年の万博。

あのとき、クラスで自分だけが行けていないことが分かった9月1日。

泣きわめく自分を、

夫婦げんかしながら押し付け合う両親、

結局、父とたった２～３時間だけ行けた――

そんなみじめな思い出が、ずっと心に残っていた。

 

でも今回は違う。

きっちり、自分の力で楽しみ、区切りを付けた。

これで、あの世の両親に胸を張って言える。

「自分は、万博へ存分に行けたよ」

積年の恨み、ようやく晴れた。

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自分の部屋には、

”みゃくみゃく”の輪っかのぬいぐるみと、

”みゃくみゃく法被”がある。