よっしいブログ
「行方不明になる高齢者」
警察庁が7月4日に
【令和5年における行方不明者の状況】R05yukuefumeisha.pdf (npa.go.jp を発表した。
そのうち、認知症高齢者の部分を紹介してみる。
・認知症による行方不明者は、1万9039人(1日あたり52人)。
・前年に比べ330人増加しており、統計を取り始めた平成24年以降で最多だった。
・男女別では、男性が1万597人(55.7%)、女性が8,442人(44.3%)で、男性の方が少し多い。
・所在確認がされた人は、1万8221人(95.7%)
・所在確認されるまでの期間は、当日が13,517人、2~3日が4,471人。98.7%が3日以内に見つかっている。
・死亡確認がされた人は、553人(2.9%)
・死亡確認されるまでの期間は、当日が118人、7日以内で見つかる人が378人(68.3%)だった。
私は通所介護事業所を営んでいるが、認知症の人が多く、
デイサービスの時間中に外へ出て行かれ、警察に届けたことが何度かある。
自分たちで見つけたのは、靴にGPSをつけている場合と、自宅への経路上を歩いていた場合。
警察に届けると既に保護されていた、という場合が多い。
警察につないで下さった人に、感謝の思いしかない。
私たちは、その日のうちに見つかり事なきを得ているが、上記の数字を見ていると多くのことを考えさせられる。
捜している間のご家族の焦りや不安、恐怖などを考えると、胸が詰まる。
A様は、朝、薄暗いうちに家から外に出た。
家族が探す中、少し離れた路上で、通りかかった人に見つけてもらった。
道を外れて歩いたようで、体中に無数のひっかき傷や打撲痕があった。
B様は、ルーチンワークに朝散歩をされる。
いつもなら一定の時間で帰って来るのに遅いので、家族が探しに行くと
道に倒れ、周りに人だかりがあった。
何かにつまづいて前向きに倒れたのか、顔面を強く打ち血だらけだった。
C様は、家から日中に出て行った。
黙々と歩き続けたのか、20㎞ぐらい離れた町で保護された。
デイでは、家に帰るという思いがつのり、
スタッフが送迎準備をするために出入りする一瞬に、出て行かれることが多い。
認知症の人は、歩き始めた時には本人なりの目的がある。
だが、歩いているうちに目的を忘れ、やみくもに歩き続ける。
道を尋ねることも、引き返すこともできない。
本人も、焦りや不安、恐怖を抱えて歩いている。
ひとりで不安そうに所在なさそうに歩いている人を見かけたら、
勇気を出して声をかけてみよう。
「なにかお困りですか?ご家族に連絡しましょうか」
返事ができない、家族について話せない、目的地を言えない、会話にならない、なら認知症なので警察に連絡をする。(怒り出す人もいるんだけどね)
待っている間は、どこかに座り、ポカリスエットでも買って一緒に飲んであげてください。
「大変でしたね。もう大丈夫ですよ」
それと、よく出ていく人には、必ずGPSをつけてくださいね。