よっしいブログ  「介護現場で願う事」

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「介護現場で願う事」

 

介護の世界で働く人たちは、いろいろな思いを抱いて入って来る。

「人のために働きたい」

「身内の介護経験があって」

「やりがいがある仕事だと思って」

ヘルパー・介護スタッフ・ケアマネなど、それぞれの職種に携わり、懸命に働く。

 

私が一番に願うのは、

「この介護の世界に入って来てくれた人達が、

疲れ果てて辞めていかないで」ということ。

 

介護の世界では

① 運営規定で職員数が利用者に対し5人に1人とか3人に1人とか

到底仕事が回らない人数が示されている。

② 利用者の定員以上の利益はでない。

③ 余分に人数を増やすと赤字になるので職員数の余裕がない。

④ 余裕がないから、休む人がでるとしわ寄せが来て過重労働になる。

⑤ コロナ感染者が出た時は、目も当てられない状況だった。

⑥ 有給や連休が取りにくい。

⑦ 給料は安い。    ⑧ 人材は入ってこない。

 

書いていて絶望的なほどネガティブの羅列になった。

原因は介護保険という仕組みにあるだろう。

どうにか制度を持続しようと継ぎ接ぎしながら3年ごとに改悪され、

今や全貌の見えない化け物になってしまった。

 

しかし、介護保険前、介護は家族(特に嫁)だけが担っていた。

家族が限界になったら病院に入っていた。

高齢化していく日本の未来を考え、介護を社会で担おうとできた制度が介護保険である。

今更、介護を家族に戻せない。人権意識のない収容所のような老人ホームにも戻せない。

社会で介護を担っていくしかないのだ。

 

介護の世界は、実に疲弊しやすい現場ではある。

それでも人生のラストステージにいる人の命を守るために、

最後の時を豊かに暮らしてもらうために、家族が余裕を持って暮らせるように、

私たちは、小さな達成感を仲間と共に分け合いながら、

毎日働いている。

 

「どうか夢を持って働き始めた人たちが、疲れ果てて辞めて行かないで」

願っているだけではだめだな。

どうやったら止めることができるか、

もっと知恵を絞って行かねばね。

 

吉村全永