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よっしいブログ
「草木の話」を少し。
ご利用者がよく歌う唱歌に「夏は来ぬ」がある。
梅雨前の今の季節、街角のあちこちに卯の花が満開だ。
卯の花を見ると、
「卯の花の、匂う垣根に時鳥早も来鳴きて 忍音もらす、夏は来ぬ
さみだれの、そそぐ山田に早乙女が、裳裾ぬらして 玉苗植うる、夏は来ぬ」
と口をついて出てくる。
この歌を歌うたびに気になっていた。卯の花はどんな匂いだろう?
60を越えた頃、実際の花の匂いを嗅いだことがある。
たいして良い香りではなかった。
調べたら、【匂うとは美しく咲いている、美しく映える、視覚的美しさを表す古語】とあった。
恥ずかしかった。
きっと、ご利用者たちは意味を分かって歌っていたんだろう。
戦前の子供の語彙力はすごいなあ。と思った。
ちなみに、夏は来ぬは、夏は来たの意味で、
来るの連用形「き」に完了の助動詞「ぬ」が加わっているとか。
連用形・助動詞・・・なんかクラクラしてきた。
きっと、遠い昔に習ったかもしれないが・・・
明治の作詞家:佐佐木信綱の作である。
明治時代の歌は、美しい日本の風景や季節、習慣であふれている。
私は、かろうじて唱歌の世界を想像できる年代なんだが、
この美しい日本の言葉を、子供たちに教えてこなかったなと悔やむ。
今更教えるには、私の語彙力が足りない。悔やむ。
もう一つ、目に入る木が、スモークツリーだ。
ハグマノキ(白熊の木)ともケムリノキ(煙の木)とも呼ばれるらしい。
あのふわふわの塊を見ると、「触りた~い」と思う。
なるほど、煙がくすぶっているようにも、白熊の毛並みにも見える。
でも私は、ワタガシノキ(綿菓子の木)かクモノキ(雲の木)がええな。