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金子マリとバックスバニー
又吉さんのYouTubeを見ていたら、懐かしい言葉に引っかかった。
――「浅川マキのスポットライト」
有名なのは、1977年、京大西部講堂で行われた「ライブ夜」。
「それはスポットライトではない」と、気だるそうに謳う。
そこに入り込んでくる、つのだ☆ひろの圧巻のボーカル。
けれど、自分はその頃、浅川マキを知らなかった。
先に出会ったのは、金子マリとバックスバニーが歌う
「それはスポットライトではない」だった。
歌謡曲しか知らない田舎出の小娘が、
初めて聴いたソウルフルなボーカルに痺れた。
何度も何度も歌い真似をしては、
自分の歌の下手さに絶望した。
金子マリから始まり、
ジャニス・ジョプリン、キャロルキング、浅川マキ、
大上瑠璃子、上田正樹、有山淳司、大塚まさじ、亀淵友香、
RCサクセション、桑名正博――
色っぽくジャージーな音楽の世界が一気に広がった。
学生時代は、まさに音楽漬けの毎日。
下手なピアノ弾きで、部活の中でも何者にも何物にもなれなかった。
それでも曲を聞くと、一瞬でその時代を思いだす。
ねたんで、恨んで、嘘つきで、ひねくれていた、
恥ずかしい小娘の自分が居て、切ない。
思い出して、また何度も聴き直す。
確かに、自分が40年以上前に生きていたことを思い出す。
秋の空気の冷たさと音楽は、
時間をセンチメンタルに引き戻す力がある。
