よっしいブログ
「実行機能って何?」
アルツハイマー型認知症の症状のひとつに実行機能障害があると紹介した。
今回は、実行機能って何?という所を深掘りしてみた。
実行機能とは、何かをやってのける能力。
朝の行動なら、
①トイレに行く
②洗面をする
③朝食を準備し食べ、片付ける
④歯磨きをする
⑤着替えをする
おおよそこれ位の事を、自分の順序で自分の想定時間で行っている。
この能力を実行機能という。
ルーチン化していて、無意識のうちに行っている人が多い。
人間って無意識のうちに多くの複雑な判断をし、行動をしているんだ。
実行機能は、学童前期から20歳代後半まで発達していくそうだ。
小さい子供は、まだ実行機能が発達していないから、ひとつひとつに指示が必要だ。
親や先生が、繰り返し教えることで自然に身につく能力らしい。
社会は、個々の実行機能が成り立つ前提でできているから、
実行機能がうまく働かないと、日常生活がいろいろ困難になってくる。
子供の場合、発達障害と言われる。
人が行動しているときに何を判断しているか。
①自分がやるべきことを整理し、優先順位をつけ取りかかり
②注意を払い
③やるべきことを達成しようと努力し
④行動中の感情をコントロールし
⑤必要に応じて短期記憶を使い
⑥自分のしていることを客観的に視る。
ざっとこんな事を無意識に判断している。人間の脳ってすごいね。
認知症の人は、脳にいらんもんが溜まったり縮んだりして働かない部分がある。
この当たり前の行動が出来なくなったら、どうなるか。
(料理が出来なくなる)
(トイレに間に合わなくなる)
(身なりがルーズになる)
(仕事が手際よく出来なくなる)
(スケジュール管理などの効率が落ちる)
(「早くして」と言われても何をしていいか分からない)
(子供のように、一つずつ指示が必要になる)
ひとりで出来ていたことが出来なくなるので、周りの人が困る。
出来て当たり前の能力。
でも、年齢に関わりなく、できない人がいることを理解したい。
実行機能がうまく働かなくても、人は人として生き続ける。
誰もが、うまく出来ないことを抱えて生きていている。
うまく出来ないことを、家族や友人や周りが支えられるといいなあ。
人は時に、自分の事だけ考えて、いろいろな人がいることを忘れてしまう。
ちょっと息を吐いて、周りをゆっくり見まわして、
そこに不安そうな顔の人がいたら、声をかけてみようか。
「何かお困りですか。お手伝いしましょうか」って。