よっしいブログ
今日の話題に入る前に、昨日の続き。
5月21日、財務省の審議会がまとめた建議に
(介護)
○ ICT活用による人員配置の効率化や経営の協働化・大規模化の推進により生産性を向上させるべき。また、高齢者向け住まいにおける利用者の囲い込み・過剰サービスの是正や保険外サービスの柔軟な運用等により、効率的な給付を図る必要。
○ あわせて、利用者負担(2割負担)の対象者の範囲拡大、ケアマネジメントに対する利用者負担の導入、軽度者に対する介護サービスの地域支援事業への移行など、給付と負担の見直しを早急に進めるべき。
(年金)
○ 本年行われる5年に1度の財政検証の結果を踏まえつつ、働き方に中立的な社会保障制度等の構築のため、適用拡大等の改革工程の項目に取り組む必要がある。 仮に国費を要する見直しを行う場合には、財源を確実に確保する必要がある。
とあった。さすが、財務省。(興味のある方は飛んでみてください。概要が分かりやすいです)
【経営の協働化・大規模化の推進により生産性を向上させるべき】
と繰り返し言われるほどに、むらむら・もんもんとし、めらめらと闘志が沸くなあ。
何への闘志って? まだまだ働くっていう闘志。
では本日のお話。
「血液検査でアルツハイマー病の早期推定」
5月23日読売新聞の夕刊の記事。
簡単に言うと、
アルツハイマー病は、10~20年かけて脳に異常なタンバク質が徐々に溜まり、神経細胞が傷つくことで脳細胞が縮むために起こる。
血液検査で異常なタンバク質が溜まっていないかを90%以上の精度で推定できた。というニュースだった。
昨年12月に認知症の進行を抑える薬として初めて「レカネマブ」が保険承認されたので、大きなニュースになった。
この薬は、脳脊髄液を採取するアミロイドPET検査で「アルツハイマー病の早期段階」と診断されないと処方できないし、早期にしか効き目がない。
早期って、私たちが想像するよりずっと前なんだ。
40歳代~50歳代ぐらいの働き盛りの時期かな。60歳代~70歳代だったら、今すぐ。
このアミロイドPET検査ができる施設が少なく、体への負担が大きい。
そこで、負担が少なく血液検査でできないか、と東大などのグループが研究していて、実用化を目指している。
このニュースを現場のスタッフに告げてみた。
「ええ、血液検査でできるんですか?」
「簡単になりますね」
「簡単になるのはいいけど、自分はしたくないなあ」
「10~20年後にアルツハイマー病になりますって、分かってどうなんやろ」
「終活するんよ。子供には自分は将来認知症になると、家族会議をするんよ」
「あなたたちに介護は無理やから、今からお金を貯めて、老人ホームに入る準備をします。今後ビタ1文子供孫のために使いません。って?」
「分かってもどうしようもなくて、認知症になるのを何年も待つのはいやかなあ」
「絶対、検査を受けんとこ」
介護現場で毎日認知症の人と過ごしていても、自分事としては捉えられない。
この検査が実用化する頃までに、自分はどうしたいかを決められるだろうか。
(私は前期高齢者だから手遅れかもね)
認知症を治すことも大事だが、認知症でも構わないってみんなが思えたらいいのにな。
「あの人も、この人も、みんな認知症やから、かまへんかまへん(大丈夫・大丈夫)」
そんな世界を作るのと、認知症を発見し治すのと、どちらが先か。