

「万博に連れて行ってあげてくれないか~」
以前、ご利用者何人かに、みゃくみゃくのマニュキュアをしたら、
「そんなに行きたいのか」と息子が連れて行ってくれた話をした。
他のご利用者は、「よかったね!」と口々に言っていた。
でもね、「私も行きたいけど、無理やな」とか
「息子を前の万博に10回くらい連れて行ったのに、ダメだって言われた」
「テレビで見るだけでいい」と続く。
そこで、デイで連れて行く妄想をしてみた。
車は、民間救急搬送サービス「PASパス」
ここは救命救急士が同乗し、酸素ボンベや吸引器、AEDを車載している。
車イス利用者4名と介護者が2名同乗できる。
現地にいる時間は3時間。大屋根リングを少し回り、コモンズに入り、何かを食べ万博を感じる。
で、経費計算をしてみる。
PAS使用料:60,000円
万博会場(夢洲)の東ゲート前広場に隣接:3,250円
高速代(往復):5,000円
ガソリン代:1,200円
入場料:7,500円(日曜日)×8名=60,000円
添乗介護士日当:12000円×2名=24,000円
合計:153,450円÷4名=38,362円
1人当たり38,362円かかってしまう!!
もし、子供が2人(兄弟や夫婦)で歩くのが不安な親を連れて行くとしたらの計算。
自家用車:無料
高速代:5,000円
ガソリン代:1,200円
車イス:デイのを(手押し車代わりにもなる)借りるので無料
駐車場:夢洲近くの朝潮橋、弁天町、大阪港駅周りの駐車場は1日700円
地下鉄代:380×3×2=2,280円
チケット代:7500円×3=22,500円
合計:31,680円、ひとり10,560円。
どうだろう。
いま、どうにか自分のことができている人であれ、
少しの手助けが必要な人であれ、
年を取った人たちの未来は、突然、断ち切られる。
今日は元気でも、明日は肺炎や骨折で入院するかもしれない。
その入院が致命傷になるかもしれない。
たとえ退院しても、元通りの生活ができないことで、
自分のやりたいことを全部諦めていく。
そんな明日が、いつ来るか分からない。
だからこそ、「行ってみたい」と夢見たのなら、実現してあげてくれないかなあ。
自分たちにある明日は、お年寄りにあるとは限らない。
「子供たちと万博へ行った」
その達成感は、深い深い思い出になる。
それは、子供たちにとっても大切な思い出になる。
お年寄りは、いろんな気持ちで、
行きたいこと、食べたいこと、やってみたいことを言えない。
小さな呟きを実現させるのは、
すごい親孝行だと思う。
大阪で行われる最後の万博。
チャンスだと思うんだな。