よっしいブログ
「徘徊」再びです。
前回、「徘徊」とレッテルを貼らないでと書いた。
認知症の人が歩き回るのには、結構理由がある。
毎日のルーティーンだから外を歩く人。
子供を迎えに行こうとする人。
仕事のスケジュールを守ろうと出かける人。
友達との待ち合わせ場所に行こうとする人。
畑仕事をしに行こうとする人…
家を出る時に本人には、確たる理由がある。
現実とは違うその人なりの時代に戻っていることが多く、
「ああ、行かなくちゃ」と本人だけが思う理由がある。
家を離れて歩き始めたころには、その理由を忘れてしまう。
「ここはどこだ」と不安になりながらも足を止められない。
どんどん不安に追い詰められ歩き回り、家に帰れない。
歩いているうちに何しに行くかの理由が分からなくなるのは、認知症だからだ。
歩き出す時に確たる理由があるから、徘徊とは違う。
認知症が進行すると、家を出る理由すら分からなくなるから、外へ出ることがなくなる。
認知症の多くは進行性なので、何年かで終わる。
認知症で混乱し歩き回る何年かを理解し、見守れる社会だといいな。
自分が認知症で歩いてしまった時に、知らない人に止められたり否定されたら嫌かな。
強く言われたら、怒鳴り返したり戦ったりするかな。
「なにかお困りですか?ご家族に連絡しましょうか?」と聞いて欲しいかな。
認知症の人は、【時・場所・人】の順で忘れていくので、
家族のことが答えられない・家の場所が分からない場合は、認知症だろう。
曖昧な会話の人も認知症の可能性があるので、警察へつないでくれると有難い。
認知症の人は、町で迷ったら誰かに救ってもらわないと家に帰れない。
不安に包まれ歩き続ける高齢者がいること、
助けを求められない状況になることを、皆が普通に想像できればいいな。
他人に一言声を掛けるのが、当たり前の社会だといいな。